私達が親に捨てられたのは十年前。
私が七歳の時だ。

親はそれぞれ愛人を作り、愛を求めて私達の元を離れた。

弟は五歳。
妹の三つ子に至っては、生まれて一歳にもなってなかった。

私達は施設に預けられそうになったが、親が残した金目の物を全て売って生計を立て、アパートを離れなかった。

離れたくなかった。

どんなに楽しくなかったとしても、家だったから。

家を無くすのは嫌だった。

それから私は、幼いながらに小さい弟達を支えた。
新聞配達やコンビニのバイト。
七歳で働かせてくれるのは、近所で私の事情を知っている人達だけだった。

それでも、私にとっては有り難かった。