「篁、どうしてこんな朝早くに?」
「えー?いや、先生に呼ばれてんの」
「はぁ?行かないとダメじゃ…」
「ただ薊と一言話したかっただけだから。話したら行くつもりだったし」
「……」
先生との用事が済んでからにすれば良かったのに。
普通そっちが優先だ。
「んじゃ、俺行って来る。薊、またね」
「あ…うん」
篁は職員室のほうに歩いて行った。
ガラガラッ
「朝からお熱いねぇ」
「…?」
突然誰かの声が聞こえた。
「おーい、こっちだよ。五十鈴 薊さん」
「?!」
花壇の前の窓が空いていた。
ここは…保健室だったはず。
目の前には、見たこと無い男子がひらひらと手を振っていた。