「ごめんなさいっ私寝ちゃって…」
「え?あー別に?俺は全然大丈夫!!ぜんっぜん!!」
全然を繰り返す篁に、大丈夫じゃないんだろうなと思ってしまう。
あぁ…私ってば何やってんだ。
「おー…着いたついた!!」
「え?」
着いたと言われたので、周りを見渡すと、明らかに見慣れた景色。
そして目の前には、住んでいるアパート。
あれ?
でも、何で篁が私の家知ってるの?
「……ふふー聞いて驚くなー?」
私の疑問に気付いたのか、そう一言だけ言って、篁はアパートのドアノブを捻った。
ガチャ
あぁっもう!!
いつも施錠しなさいって言ってるのに…!!
…って篁、部屋まで知ってるし…っ!!