「んあー…づがれだー…」
本棚の整理が目的だったらしく、無限かと思われた本達全てを名前や番号順に並べ直した。
「…お疲れ様。薊…あ、ハンカチ」
前に汗を拭いてあげたとき"洗って返すよ"と言われ、彼に預けていた物だった。
「有難う。わざわざ」
私は篁にフッとさりげなく笑って、ハンカチを受け取った。
そのとき触れた指先に、何故か篁がビクッとしているように感じた。
「篁?」
「……あ、ごめん。てか遅いし、送るよ」
窓を見た篁は、外の暗さに気付いて私を気遣ってくれているみたい。
「いや、私はだい「ダメー…」
大丈夫なのに…
篁は折れる気が無いみたいなので、私はお言葉に甘えることにした。