ガラガラッ

突然豪快にドアの開く音がした。

「!?」

私はメガネをしていないため、誰か全く分からない。

「…え………ちょっ…君!!どうしたの?!」

近付いてくるその人。
声は高めだけど、男の人で、何だか聞き覚えのある声。

「何か悲しいことあったの?!俺、話くらいなら聞くよ!?」

何か…物凄い勘違いをされているみたいだ。

「いや…あの…」

「あぁっハンカチっ…てあ、薊に返すの忘れてた」


やっぱり…もしかして…

「た…篁?」

「へ?何で知ってんの?俺の名前」

聞き覚えのある声なわけだ。
つい三日前に聞いたばかりだし。