俺は気づかれないように二人を見ていた。

楽しそうに笑い合って、時折紗羅は頬を赤くして困ったように笑ったりしていて……。

そんな二人を見てるだけで、切なくなった。

紗羅と話てんのが翔じゃなくて俺だったら……、そんな考えも出てくる……。

きっと翔は紗羅が好きだ。

あいつに裏切られてから、女を好きにならなかったあいつが好きになれたんだから友達として喜ぶべきなのに何故か素直に喜べない。

むしろ翔が紗羅を好きだというのが嘘であればいいのに、と思ってしまう俺がいる。