「えーっと、昨日会った榊原君、だよね?」

確認するように、尋ねてきた

「そうだよ。これからよろしくね桜井さん」

「うん。それとさん付けはしなくていいからね?」

「わかった」

そう言い終わるのと同時に一時間目の始まりを告げるチャイムが鳴った

俺の後ろで、翔と桜井は机をくっ付けていた

初日だし、教科書ないだろうし当たり前か

そう思っていると、何故かモヤモヤしてきた

なんだ、この気持ち

考えてもわからないだろうし、俺は教科書とノートを開いて窓の外を眺め始めた


俺がこの気持ちの正体を知るのはまだ先の話


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