そして、テストが終わるとみんなが私のところに来た


「夏樹ー!」


急に佳燐ちゃんが抱きついてくる


「大丈夫だった?」


少し上目使いで私を見上げる佳燐ちゃんがかわいくて、私はつい顔がほころむ


「もー!何で笑うの?」


「いや、ごめん」


私が謝ると、佳燐ちゃんは顔を近づけてきた


「それより、大丈夫だった?」


「なにが?」


「なにがじゃなくて!さっきカトカンに疑われてたじゃーん!」


「ああ、あれか」


そう私が言うと、抱きついていた佳燐ちゃんが立ち上がって、前にいる先生に


「カトカンさいてー!」


と言った


カトカンとは、ウチのクラスの副担任の加藤桿輝(かとう かんき)のこと。


カトカンはふくれっ面の佳燐ちゃんを見た後、私の顔を見て肩をすくめた


そして、頭をさわりながら私たちのところに来た


「いやーごめんごめん」


「夏樹はそんなことしないよー」


「そうだよ先生」


私の机に腰をおきながら京ちゃんが佳燐ちゃんの言葉にのった


このクラスでは、京ちゃんと誉くんだけだ


「だよなー俺の早とちりで、本当にごめん藤井!」


先生は私にむかって頭を下げた


「いいよ」


そう言うと、カトカンは嬉しそうに顔を上げた


「ちょっと夏樹!いいの?」


「うん、カトカンには今度パフェおごってもらうもん」


ね?の言いながらカトカンを見ると、苦笑いをしていた


「ま、とにかくありがとう!あ、ヤバい!俺会議だ!」


「えー!空気よめー」


「わりぃ、今度おごるから、お前らも早く帰れよ!」


そう言うと先生は慌てて教室を出て行った


何か、カトカンってかわいいな


実際若いしね


生徒から人気があるのも分かるなー