「ねね!!夏樹ちゃん!」


「何?」


「蒔絵の好きな人しってるー?」


「ちょっ!佳燐!」


「え?しらない。誰?」


「あのねー」


急に佳燐ちゃんが言ったこの言葉、


この言葉でこんなことで私たちがああなるなんて思いもしなかった。


蒔絵の好きな人なんて、


知らなければよかった・・・


佳燐ちゃんはもったいぶるように


ニコニコ笑っていた。


蒔絵以外の私たちは息をのんで待っていた。


「あのね、蒔絵の好きな人は・・・」


まだもったいぶるなんて嫌な性格だな・・・


「龍泉要だよ!!!」


え・・・?


こんなとこにライバルが・・・


私は、もう何も言えなかった