《ガタン》


後ろで音がし、私は恐る恐る振り返った


そこには、


夢がいた。


夢は泣いていたのだろう。


真っ赤な目をしていた。


「ウソつき…」


夢はそう言った


理由はすぐに分かった。


私が夢を守れていないからだ


「ごめん…」


「結局、こはるも私のことどうでもいいって思ってんでしょ!!」


「そんなこと思ってない!」


「ウソだ!こはる、言ってくれたじゃん。夢を守ってくれるって…」


夢はゆっくりと泣き始めた


「ごめん…」


「もういいよ…もう疲れた…生きていたくない。」


「え?」


そう言うと夢はゆっくりとフェンスへと近づいた


「待って夢!」


そう私が言った時にはもう夢はフェンスを越えていた。


「私、こはるは信じてた。こはるだけは…」


「なら待って!死なないで!」


「もう遅いよ…夢、疲れたもん…」


「そんな…そんなこと言わないで!」


「こはる。ありがとう。夢、最後までこはるを好きでいたかった」


「夢!」


「ばいばい」


『ゆめーーーーーー!!!!』


急いで下に行くと、もうすでに息をしていない夢が倒れていた。


死んだ…


夢が死んだ…


このことが次の日には学校に知り渡っていて、村野と新橋は私を脅すようになった。


あんたが殺したんだ


あんたは人殺しだ


と…


人殺し…


私は大事な友達を殺したんだ。


夢を、殺したんだ…









高校に入って、そのことを唯一知っている村野と新橋が私のことを脅すようになったんだ………






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