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隣で心地よく寝息をたてている鬼頭の寝顔をそっと伺い見た。


今更ながら、何で水月が鬼頭を選んだのか分かった気がする。


頭が切れて、策略家で、何考えてるのか分からないところがあるけど、人の裏の部分をつばり言い当てる。


勘が鋭いとかそういう類じゃないな。


こいつは、人の汚い部分を知ってる。


それでいて、受け入れてくれる。


そういう奴だ。





経験を積んだ大人ではできない、世渡りの仕方を知ってる大人にはない、ある意味素直でまっすぐとも言える。


子供だとあなどっていたけど、こいつが一番大人だったんだ。



水月はきっと……



いや、あいつは…水月は俺みたいにごちゃごちゃ考えるような奴じゃないから、本能でこいつを好きになったんだろうけど。



ある意味あいつもまっすぐっちゃまっすぐだな。


素直になれない俺は、いつでも振り返ってしまう。


後ろを見てしまう。



だからここから動けないでいる。


前に進むためには



俺はどうしたらいい?