夏愛は明らかに落ち着きがなかった。



「夏愛落ち着け。誕生日祝ってやれなくてゴメンな。また今度祝ってやる…「ふざけないで!私の誕生日は1日だけなの!龍司さんにとっては今日も昨日も一緒なの!?


私にとっては1秒でも遅れたら誕生日じゃないの!」」



俺は頭を何かで殴られた気持ちだった。


そうだ…

夏愛の17回目の誕生日は昨日だけだ。


1秒でも遅れたら誕生日じゃねぇよな…

なのに俺は…!


夏愛は走り出した。





「夏愛!!!」

と呼び止めたが止まることはなかった。


また俺は夏愛を傷つけてしまった。


無力な自分に呆れた。