「龍司さん…」

麗歌は仕事が終わると俺の事をオーナーから龍司さんへと呼び変える。


「何だ?」


「どうして助手席に乗ったらいけないんですか?今までは乗せてくれたのに…」


「ん、あぁちょっとな…」


麗歌は中途半端な答え方をした俺に不満そうな顔をした。


麗歌の家は車で15分くらいの場所にあるマンションだ。



入り口で車を止めると

「麗歌着いたぞ。」


「あ、はい…あの龍司さん…」

「ん?」


「上がっていきません?」


麗歌に声を掛けられた。