『キーンコーンカーンコーン』
とチャイムが鳴り長い授業が終わった。
チャイムの音がなにか神聖なものに感じる。
友人との会話にうんざりしていた私にとってこの神聖な音をどれだけ待ちわびてたか。

『マコト今日あやちゃんとかと遊ぶんだけどくる?』

『ごめん!バイトなんだよー。』

『やっぱり空気読めないな!そんなんだからモテないんだよ!』

とうんざりしてたのにも関わらず帰りまでもこんなことを話してきた。

今日こうなるだろうと予測してあえてこの日にバイトのシフトを組んだ。

噛ませ犬という屈辱に成り下がらないための、ささやかな抵抗である。

それなのに
『俺も行きたかったんだけどね。また誘って!!』
と思ってもいない言葉が反射的にでてしまう。

『なんだか俺は人形みたいだな。』

と私は誰にも聞こえないように呟く。