あたしがシュートを入れた喜びの余韻に浸っていると
「何ニヤケてんだよ。気持ち悪いよお前ッッッ」
体育館の入口から優斗の大声が聞こえた。
「やっぱりバスケは良いよ。あたしのストレスが飛んでいくし」

「あぁ…お前最近 無理してるみたいだしな」
返事はしなかった
あたしが意識せずに話した言葉でも優斗はあたしの心を読む
たまに全部バレてる気がして怖い時がある

二人とも別のコートで自分の練習をする
そのうち後輩が入って来てあたしと優斗に挨拶していく

一通りの練習を終えてあたしは汗を拭きに自分の鞄の中を見る
「うわっクラスに置いて来ちゃったよ」
一人で呟いてあたしはタオルを取りにクラスへ向かった。

クラスの前の廊下を歩く
「てかさ、ノリ悪いよねぇ」
あたしのクラスから声が聞こえる「だよねッッッ梨香が話しかけてもいっつも下向いて返事してくるからイラつくぅ」
優奈と梨香の声がする。
また、悪口か…
あたしは気にせずクラスに入ろうとした
「あと、みぃってさ優斗くんと親友らしいけど絶対下心あるよね」
あたしの足が止まる

「だよねッッなんか見え見え過ぎて笑えるし それに美咲ってちょっと地味だよね。」
「うんッッッ優奈と梨香といるからクラスで浮かないんぢゃない?」「うち達に感謝してほしぃWW」

あたしの悪口だ
優奈と梨香があたしの悪口言ってるんだ

あたしはクラスとは逆の方へ走り出した
階段を上へ上へ上って屋上に着いた
頬に風を感じる
でも、あたしの心には風は吹かない
今のあたしの心はジメジメして沼みたいになっている