拘置所の空気は息苦しい…

目に映る全ての光景はフィルムがかかっているように見え、俺にはブルーグレーに見えていた

刑務所と同じ敷地内にありはするが、受刑者ではない

―被告人―

それともう一つ…番号が此処での呼び名だ

朝一の点呼では必ずこの番号を呼ばれる

49番…くしくも俺に割り当てられた番号は生年月日という偶然
そんな嬉しくもない偶然を、誰かに話すでもなく、ただ認識する

受刑者と被告人との違いは、有罪で刑罰が確定した者と、裁判中の者との違い

俺は5つの罪を犯してここに入った