放課後になり私は高岡さんに

｢今日、一緒に帰らない？｣


返事が怖かった。

断られるかもしれない。
彼女の答えは…

｢いいよ。｣


私は嬉しさのあまり満面の笑顔になった。

｢そんなに喜ばないでよ。これからいくらでも一緒に帰れるんだから！｣



彼女との帰り道、私は結城先生の言葉を思い出していた。

『自分らしく生きることが本当の幸せなんじゃないかしら？』


｢ねえ高岡さん、私のいいところってなんだろう？｣

｢えっ？｣

｢私らしいってなんだと思う？｣


｢私はまだ山田さんと会ったばかりだから山田さんの長所とかはまだわからないけど…いつでも一生懸命な所じゃないかな？｣

一生懸命？

｢一生懸命って？｣

｢う～ん、例えば体育の片付けとか掃除のじかんとか一人もくもくとやってるじゃない？他の人はサボったりふざけたりしてるのに…｣

｢あれは当たり前のことだよ。みんながみんなマジメにやらなかったら全然進まないし…｣

｢そこ！｣

えっ!?

｢そういうマジメなトコとかあと自分より回りの人のことを考えて、それって人として大事なことだと思うよ。｣