私は彼女の姿を目で追うようになっていた。

どうしたら彼女のように堂々とできるの?

彼女のようになりたい。

私は保健室に向かった。
高岡さんのおかげでしばらくぶりの保健室。

結城先生が迎えてくれた。

「久しぶりね。最近はどう?元気にしてた?」

いつものようににこやかに話す結城先生

「はい、最近転入してきた高岡夕子さんが私に話し掛けてくれて…」

「そうなの、よかったじゃない!友達ができて」

私は『友達』という言葉を聞き少し嬉しくなった。

「高岡さんのおかげで女子とは少しずつ話せるようになりました。まだ男子はいろいろ言ってきますけど…」

「まだあなたたちは子供だからね。特に男の子たちは悪気があって言ってないと思うの。ゆっくりだけど男の子たちもあなたに話し掛けてくれると思うわ。」

その言葉に私に笑顔がこぼれた。

「それで私、思ったんです。私、高岡さんみたいになりたいって。どうしたら高岡さんみたいになれますか?」

私の話を聞いた結城先生は優しい笑顔になり、

「山田さん、人には個性というものがあるよね。無理をしなくてもあなたには素敵なところがたくさんあるわ。

それに誰かの真似をしなくても自分らしく生きることが本当の幸せなんじゃないかしら?」


自分らしく生きる…

そんなこと今まで考えたことがなかった。

私らしいってなんだろう?