大切な出会い…

「ねぇ、今まで辛かったでしょう?」

私は黙ってうなずいた。
「だけど、死んだほうがいいとか生まれてきてよかったのかな?とか言わないで。」

私はまた涙がでてきた。
「生まれてこなきゃよかった人間なんて一人もいない。あなたも生まれてきた意味があると思う。」

生まれてきた意味

「例えば?」

「そうだね、例えば…私に出会ったこともそうだと思う。私はあなたに幸せをもらってるし。」

えっ?

「幸せっておおげさだけど、あなたと一緒にいると心が休まるよ。」

私はまた涙する。

今度は…

「どうしてまた泣いちゃうの?」

困った顔をした彼女を見て、

「違うの!こんなにうれしいことを言われたの初めてでうれしくて、うれしくて…。」

私は笑顔で泣いた。

彼女もまた笑顔だった。

「あっ!もう5時だ!」

私は思わず大きい声をだしてしまった。

「門限でもあるの?」

「そういう訳じゃないけど一度家に電話しなきゃ」

私は携帯を持ち出し外へ行った。