「お前、もう飽きた。別れよ」
いつもの道。
いつもの夕方。
いつもの…彼の姿。
今日は…すべてが違う。
「ど、どういうこと…??」
あたしは頭の中が真っ白で
ただ彼の冷たい表情を見つめることしか出来なかった。
彼はそんなあたしをウザそうに
「だから、飽きたの。お前なんか最初から本気じゃなかったの。わかる?だからじゃぁな」
なによりも心に突き刺さる言葉
「ま、待ってよ、愛斗(アイト)…」
あたしは泣きながらこの場去ろうとする愛斗を抱きしめる。
「行かないで…あたしがいけないところがあるなら直すから。お願い…」
「…ちっお前のそういうところがウザいんだよ。離れろ」
愛斗はあたしの手を振り払い舌打ちを残して去っていってしまった――。
まだ寒さが残る、3月だった―。