「......っ」


「おら、今ならちゃんと聞いてやるから」


「...ふ...っ」


「言わねぇ、とか調子こくんじゃねぇよ」



こんな時でも、怒りをあらわにしたように不機嫌そうに佇む彼。

だけど、その乱暴で横暴な言葉たちにも彼の優しさが沢山詰まっているのに、嫌でも...気付いてしまう。



私はいつも苦しくて、諦めたんだ。


彼の傍にいると息ができなくて。

彼の声を聴くと泣きたくなるくらい傷付いて。




だから、自分を守る為に一つの世界築いたの。

中身は、ただの綺麗事と弱い私の精一杯の強がりだけなくせに。