「はぁ。」

それからお昼になるまで授業も頭に入らなかった。


キーンコーンカーンコーン


(やっとお昼だぁ…。)


『美ー妃ー。早く教えなさいっ!』

「わかったよ。とりあえず中庭に行こ。」


『で?一体どういうことなの?昨日の放課後爽やか君に告白されたんじゃないの?』

「されたよ?だけど、どうしようか考えてたら、いきなりあのチャラ男がきて…――――」


と紗月に昨日あったことを全部話した。

『まぁ…事情は大体わかったけど、なんで“あの”西村君が入ってきた訳?しかも付き合えだなんて。』

「それが私も不思議なんだよね…」


『偶然だとしても、人が告られてるって時に…』

「だよね。返事もしてないのに。これじゃ神崎くんにも失礼だよね…」


『まぁ、嘘でも西村くんと付き合ってるんだから、その神崎くんにはちゃんと言った方がいいよ。』


「うん。私神崎くんにちゃんと言わなきゃ!」


『何を言うんだよ。』

突然低い声が聞こえ、その声の方を見ると“アイツ”が立っていた。

「チャラ男には関係ありませんー。」


『チャラ男って言うな。悠斗って名前あんだけど。てか、前に呼べって言ったよなぁ?』

「別にいいでしょ?紗月、戻ろ。」


『あ、美妃!』