『ふーん。』

「それがどうかした?」


『別に。つか、俺と付き合ってるんだから、他の男と来んなよ。』

「は?別にいいじゃない。」

『はぁ。お前の為を思って言ってんだぞ?』

「私の為?」

『お前、うるさい取り巻きに絡まれてもいいのかよ。』

「うっ…わ、わかったわよ。まぁ、颯も部活入るしね。」

『じゃあ行くぞ。』

「うん。」

歩き出すと、私と颯が手を繋いで歩いてるせいか、登校してきた生徒が驚いたような顔でこちらを見ている。

教室の前まで来ると、チャラ男のファンであろう女子の取り巻きが驚いた顔でこちらを見ていた。

『どういうことなの?』

途端に鋭い視線がこちらに向く。

(怖っ!)

すると、いきなりチャラ男が私の肩を寄せて

『こいつ、俺の女だから、手ぇ出すなよ。』

含みのある笑いを見せながら言った。

(こんなところで!)

『いきなりどうして!?いつから付き合ってるの!?』

周りがざわざわと騒ぐ。

そこへ紗月が聞きつけて来たらしく、

『ちょっと!どういうこと!?付き合ってるなんて聞いてないけど!?あの爽やか君はどーしたの!?』

「後で話すから落ち着いて!事情があるのっ。」

『事情?』

「まぁいいから。教室入ろ?」

『早く教えなさいよ?』

「わかった、わかった。お昼に話す。」

『絶対だからね?』

「うん。」

好奇の目や取り巻きの刺すような視線を受けながら席に着いた。

『こら、何してんだお前ら。早く席着けー。』


先生の登場でみんな渋々席に着いた。

(ありがとうっ、先生!)

この時だけは先生が神様に見えた。