もやもやを抱えたまま、



今日は帰ることになった。



街並みはいつもと変わらないはずなのに、



目に映る景色はやけに無機質だ。




「はぁ…」

「幸せ逃げるぞ」

「ふぇ?」




無意識についた溜息に反応が返ってきた。



驚いて振り返ると、にやりと笑う彼の友達がいた。




「先輩…」

「どうした?和哉にフラれたか?」

「そんなんじゃないです!!」




この人は彼と友達なことが不思議なくらい軽…親しみやすい人。



確か彼に聞いたら、



友達じゃなくてただの幼なじみだといっていたけれど。



私が知る限りかなり親しい間柄みたいだ。