タクミが連れて来たのは、



小柄で目がぱっちりした女の子だった。



きっと人間の間では、こういう子を可愛いって言うんだと思う。




「これが、拓が飼ってる子?真っ黒で綺麗な猫ちゃんだね。」




頭を撫でられそうになったから、さっと避けた。




「あれ、逃げられちゃった」

「俺も最初は逃げられたよ」

「ほんとー?」

「本当だって。そのうち真菜にも懐くよ」




馬鹿ね、懐くわけないじゃない。



嫌になって、



二人から離れる私を気にもせずに、



二人は映画を見はじめた。