だけど、最近少し変わったことがある。



タクミがやけに幸せそうなこと。



なにが楽しいのか、



“ケータイ”を見ながらよくにやにやと笑っている。



そんなとき、



私はタクミの膝から下りてソファーの隅で丸くなっていることにしている。



やっぱりね、

どんなにタクミに近づいても

私には人間の気持ちは分からないの。

どうして幸せそうなのかも、

ケータイをみて顔を綻ばせているのかも。

知りたくても言葉を紡ぐこともできないから、

「どうして」と聞くこともできないの。



分からない、知らない、できない。



こんなことで悩むなんて、一人ぼっちの私は考えもしなかった。



そんなもやもやも、すぐに解消されることになる。