この前は“カダイ”が終わらないといって焦っていたけれど、 まったく、今日はどうしたっていうの? 窓の淵から飛び降りると、首に付けられた鈴がちりん、っと鳴った。 「クロっ!!」 目を大きくして私に駆け寄ると、 タクミは私を抱き上げた。 「どこ行ってたんだよ!!逃げ出して、もう戻って来ないと思ったじゃん。」 目の前には、タクミの心配そうな顔。 たった半月で、そんなに愛着がわくものなのかしら?