人嫌いは生まれつきだった。



強い風の日も、冷たい雨の日も、



気づいたらずっと一人ぼっちだった。


たまに知らない子がやってきて、一緒に行動していたときもあったけれど…



何日かすると知らないだれかに拾われて何処かへ行ってしまった。



そうすれば、また一人ぼっち。



だけど私は「拾って」と、甘えも縋りもしないの。



人間は私を見ると、不吉だと言って近づくこともしないもの。



私は黒猫。



野良のわりには毛並みの整った



綺麗な黒猫だと思う。



艶のある濡羽色の毛は私の自慢なのに



人間はそれを嫌うの。



人間の考えることは本当によく分からない。



そんなことは常々思っていたけれど、



今ほどそれを強く感じたことはない。