「どうした?」

「んー、なんでもない」




私の予想に反して、彼はすんなり受け入れてくれた。




「ねぇ、驚かないの?」

「里沙の考えそうなことくらいわかるよ」




やっぱり、どう頑張っても彼には敵わないみたい。



私より一枚も二枚も上手なんだから。



背中から隣に移動して、腕にぎゅっとしがみついた。



こんな寒い日くらい、素直に甘えてみることにしよう。



理由なんていくらでもあるんだもの。



冷たい雪も、強い風も



今は全部私の味方。