コツコツ、私のヒールの音だけが響く帰り道。



3歩先を歩く彼の背中は



改めて見ると意外と大きくて



なんだかむしょうに抱き着きたくなった。



人は居ないけれど、



ここで後ろから思い切り抱き着いてみたら



照れ屋な彼はきっとすごく慌てるんだろう。



悪戯心に火が着いた私は、傘を折り畳んで彼の背中にダイブした。



勢いよく突っ込んでいってもよろけない背中はやっぱり頼もしい。