「なんだよ、びっくりしたじゃん。」




そんなに驚くこと?



私はずっと前から貴方が好きだった。




「本当ばかだよね、そんなの冗談に決まってるでしょ。ほら、決まったなら早く買ってきてよ。」

「あ、そうだった。」

「でも、その花はおすすめしないよ。悲しい、花だから。」



つくづく私はお人よしだ。



アネモネを贈って、



花に詳しいあの子に嫌われてしまえばいいのに。



それとも、



優しいあの子は彼の可愛らしい失敗を笑って許すんだろうか。