「…好き、だよ」

「え、」




私はいったい何を言っているんだろう。



ずっと仕舞っておくはずだったのに、



あの子を想う彼の優しい表情を見ていたら



悔しくなって思わず出てしまった言葉。




「って、ここに書いてある。」

「痛っ」




そういって



思いっきり彼の頬っぺたをつねったのは



私の苦し紛れのごまかしで



さすがにきついごまかしだとは思ったけれど



鈍感な彼には、



私の気持ちなんてなにも伝わっていないはず。