「里沙、おい里沙!!」

「なに」

「やっぱり聞いてなかったか」

「なにが?」

「あの赤い花、どう思う?」



彼が指差したのは、真っ赤なアネモネ。



彼女のプレゼント選びにわざわざ私を連れてきて、



こんなに沢山の中からわざわざこの花を選ぶなんて。



なにも考えてないだけに残酷だ。



きっと彼は、昔に読んだ物語なんてきっと忘れてしまっているんだろう。