考え事をしていると、



自然と足が早まってしまうのかもしれない。



講義はいつも通り長引いたのに、



早く着いてしまった。



普段はどんなに急いでも、こんなに早く着けないのにな。



喫茶店のドアを開くと、カランとベルが鳴った。



それに気付くと彼がこちらを向いた。




「お待たせしました」

「いや…」




今日はチョコレートパフェを食べていなかった。



先に頼んで飲んでいたブラックコーヒーがなんともお似合いだと思った。