「よかったねー、翼!」


「ありがとう!!今日香!てか今日香とも同じクラスだよ!あーっ、もう一生分の幸運使い果たしたって感じだよぉ」

「あ。古橋くんだよ」


今日香が指さした先に隆人が立っている。
自分のクラス表を見終わったのだろう。


今日から使う靴箱で上靴に履き替えていた。
隣には隆人の幼なじみ、南柚葉(みなみゆずは)もいた。


楽しそうに話す2人は、学校のトップクラスのイケメンだ。
憧れている人は数多い。


割と紳士的で優しさを持つ隆人が『学園の貴公子』、明るく気さくで積極的な柚葉は『学園の王子様』と呼ばれていた。


翼は柚葉とは同じクラスになった事はないけれど、気さくで有名なだけあって、親しみやすさがにじみ出ていた。


「行こう!」

今日香が翼の手を引く。

隆人との距離が近づいた。