校門を抜けて3年生の昇降口にたどり着くと、人だかりができていた。
壁に貼られている紙を必死に見つめ、悲しんだり、喜んだりしている。
そう。今日は始業式で、新しいクラスの発表の日でもあったのだ。
高校最後のクラス替えという事で、新3年生たちは皆張り切っているようだった。
もちろん翼もその一人だ。
張り切る、といってもクラスは先生たちが決める事であって、自分がやることなど何もないのだが。
3年生は1組から10組で編成されている。
そしてクラス発表の紙は1組を筆頭に左から右へ、壁に貼られていた。
翼は毎年1組から見ることにしていた。
別に意味はない。