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翌週の日曜日。



「たろうちゃん、たろうちゃん!!ほら…お待ちかねのコウちゃん来たよー!!!」



…けっ。


なにが悲しくてお前の彼氏の登場を楽しみに待たなきゃなんねーんだよ。



「…は……はじめまし…て…」



って遠いだろ!!!


お前、玄関から言ってんじゃねぇか!!!


しかも気ィ弱すぎんだろうが!!!



「な、なんか怒ってる!?!?ゆ、維奈…!!!」


「大丈夫だよ、コウちゃん!!怖くなんかないよー!!」



…あいつ、コウを写真で見たときからわかってた。


維奈は隣にいるくせに全く気付いてなかったみたいだけどな。


どうせ、つまらねぇプライドが邪魔してコウの野郎が隠してたんだろーよ。




「でも意外だなぁ。コウちゃんが極度の“猫嫌い”なんて!!!」




…そう。


コウが猫と写っている写真はどれも顔がひきつっていて、明らかに苦手意識が見えた。


おれのことを話した維奈に“今すぐ追い出せ”って言ったのはカッコ悪いとこ見せたくなかったんだろうな。


…はんっ。


猫のおれだって、人間嫌いなんだからな!!



「もう、たろうちゃん顔怖いよー!!」



表情なんかわかんねぇだろ…。


そうツッコミたいが、維奈になら本当にわかっていそうな気がする。


…なーんか不思議な奴だよな。