―ガチャ
勢いよく開いたら玄関のドア。
お父さんと知らない女の人が何かもめながら入ってきた―
「ちょっと―なんか知らん人が―…」
あたしの前を通りすぎようとしたらから慌てて引き止めた―
すると知らない女の人があたしを睨みながら言った―
「あんたはいっつも邪魔物やね―」
は?
誰このおばさん―
見た事ないし、おばさんと言うにはもしかしたら若すぎかもしれない―
スラッとした体系―
ぴっちりと全部髪をひっつめて綺麗に後ろで結んだサラサラの髪―
いきなり邪魔物とか言われて唖然としてるあたし―
「美奈子―そんな事言うなよ。
―ちょっと彩席はずしてくれるか」
感情のこもってない声
その喋り方、大嫌い
お父さんなんか大嫌い
無言で立ち去ろうと思いドアを閉める時ちらっと見えた“並木 陸”の顔―
寂しそうな顔―
部屋に戻り、こっそり話を聞いてやろうと思いドアにぴったり耳をつけてた―
ただの好奇心。
少し気になるだけ―
名字が一緒な事
だいぶ気になる―