でもあんまり陸を困らせるのも
悪いよね…。

自分の思いをぐっと耐え、
少し黙ることにした。

「ちょっと俺ん家来てくんね?
 近いしそこで話そう」

「いいよ」

陸は大学に入ってから
アパートで1人暮らしをしている。

陸のアパートの前までくると、
ため息をついてから
陸はこちらを向いた。

「今から彼女のフリしてほしいんだけど…」

小声でそう言った。

「え?なんで??」

辺りを見渡し、
誰も居ないのを確認すると
実はストーカーされてるんだ。と
真顔で言った。

話を聞く限りでは、
1週間くらい前から
つけられていたらしい、
名前も顔も知らない人に。


「家の中に居るかもしれないから」

「家の中まで!?」

「鍵をかけても入ってるんだよね、
 不気味じゃない?」

「…うん」