――・・・

「ホントに送っていかなくて平気か?」

陸は心配そうに覗き込む。
大丈夫だよ、と千亜樹が答える。
いったい何回同じやり取りを
繰り返すつもりなんだろうか。


「陸も気をつけてね」

「おう、明日から高校まで迎えに行くから
 無理な日は連絡して」

アパートから出て
すっかり暗くなってしまった夜道を歩き出す。
なんだか見られているような気が…、
気のせいだよね。

それでもやはり誰かにつけられているようだった。





時間が経つにつれ、
恐怖心ばかりが込み上げてくる。

急に肩に手を置かれた。

「なぁ…」


「!? っきゃぁぁぁぁああぁ…っ!!!!」