学校が終わるチャイムと共に
千亜樹(ちあき)は急ぎ足で外に出た。

高校1年の清水千亜樹(しみずちあき)は
4つ上、つまり大学2年の
水瀬陸(みずせりく)という従兄弟がいる。
今日はその従兄弟に呼ばれたので、
大学のすぐ側にある公園で
待ち合わせをしているのだった。











――・・・

いきなり何の用だろう。

そんな疑問を抱きながらも
公園に着いたのでベンチにそっと腰をおろした。
髪はたいして長いわけでもないが
セミロングで、毛先をいじるのが癖になっている私。

そんなことをしていると
視界の中には陸が現れた。と同時に
千亜樹の知らない人物が陸に近寄った。

きっと友ダチだろう。

だが、様子がおかしい。
陸たちは見るからに喧嘩をしているといった雰囲気。
気になったのもあるが、
何より相手が心配だったので
2人のもとへ駆け寄った。
陸は喧嘩で負けたことがない。そして短気。
そんな陸と喧嘩した相手が軽傷で済む筈がない。


「ちょっ…陸……!」

「あぁ、千亜樹」