『……はい』
自分でもわかるくらい。
“機嫌、最悪デス”オーラ出しまくりの声。
電話の向こうの相手がひくのがわかる。
……に、しても。
なんで話さねぇんだよ!!
寝起きはイイ方ではない。
自覚してる。
それにプラスして寝に入る瞬間を起こされたんだ。
機嫌も悪くなるっつーの。
『……誰?』
話さねぇんなら、切るよ?
「………だケド…」
『は?』
電話の向こうの相手は。
小声で何かを言っている。
はっきり話せ!!
聞こえねぇだろーが。
「……茜、だけど……」
耳を通った名前に。
眠気がすっ飛んだ。