…あぁ、せっかく今日はバレンタインデーなのに。


 大好きな彼氏の大好きなチョコをあげるのを楽しみにしていたのに…。



 走りながらも冷静にそんなことを考えてるあたし。





「...っと、悪い。」





 あまりにも急いで走っていたから、ぶつかった人に謝れなかった。



 少しスピードを落としたら聞こえてくる、海斗の声。






「り..さー..りさー!」