「よろしくね、美々さん」
あたしが言うと、控え目な声で
「よろしく」
と返ってきた。
緊張してるのか、人見知りなのか、無愛想なのか測りかねるトーンだった。


1限目の古典の時間、先生はアマミヤビビに気を使ったようだったが、彼女はすらすらと漢文を読み、訳してみせた。
すごく頭いいのかも。


2限目との間の10分におしゃべりな小鳥たちは異国での生活に興味を見せ、「分からないことがあったら何でも聞いてね」と口を揃えた。


それは昼休みまで続き、アマミヤビビは、相変わらず静かなトーンで返答していた。


当然、「一緒にお弁当を食べましょう」という誘いも絶えなかった。