「そういえば、芙椅さんもご存知?」

悠紀さんが振り返ったまま無邪気に聞いてきた。
「何を?」
「転校生のうわさ!」
「………転校生」
怪訝そうに聞き返すと、
悠紀さんは喜々として説明してくれた。
おしゃべりも彼女達は大好きらしい。

「フランスからいらっしゃるのですって。お母様がパリジェンヌだとか。わたくし、お会いしたらフランスのお話、たくさん伺うつもりですの!」

「まぁ…!ハーフなの。あたしも楽しみだわ!」