「…あながち、あいつも間違ってなかったりして」
自虐的に笑って、あたしは家に入った。
「ただいまぁ」


違う。美々への気持ちは、きっとそんなものじゃない。
形容しがたい感情を抱いたのは確かだった。認める。でも、恋とかじゃない。
シャンプーの香が、変に作用しちゃっただけ…………多分。