……ほんと、あたしって異端児。

「…芙椅さん?」

名前を呼ばれて我に返ると、プリントを回してきた前の席の悠紀さんがくすくす笑っていた。

「芙椅さん、何度呼んでも気づかないんだもの。後で何考えてらしたのか、こっそり教えて下さいな」

あたしがぼんやりしてて気づかなかったのに、彼女は愚痴一つこぼさない。
お嬢様方はいつも心穏やかだ。


とてもじゃないけど、教えられない。
「この学校は合わないわ、ってしみじみ考えてたのよ」

なんて。