血が繋がっていないって言っても、厳密に言えば元々いとこ同士の関係。
結婚をしていなかったから、あくまで血のつながり的に見れば、って話だけど。
仲春家は、昔からいくつもの会社を経営してきた大きなグループのトップに立つ家らしく、今で言う「セレブ」らしい。
お母さんと雄大さんの結婚生活は、1年も経たずに終わったって言った。
「その当時、あたしを快く思っていなかった人が一族にいたみたいなのよね」
そのあたりのことはあまり教えてくれなかったけれど、辛い思いをしたんだろうなってことは、なんとなく察する。
「あの家を出てから……迷惑をかけないために、もう10年以上も仲春の家とは連絡を絶っていたんだけど……」
一通りあたしに説明してくれたあと、お母さんはそう言って口元にだけ小さな笑みを刻み、裕一さんを見た。
「ぼくは嬉しいです。優子さんから連絡をいただけたことが」
裕一さんは穏やかな口調でそう話したあと、ほんの少しの間を置いてから、
「――ぼくは、ずっと優子さんとさつきちゃんを心配していました。血が繋がっていなかったとはいえ、優子さんは母としての優しさをぼくにも与えてくれましたし、さつきちゃんはぼくを慕ってくれました。……本当の母の顔を知らないぼくにとって、優子さんがぼくの本当の母であり、さつきちゃんがぼくの本当の妹だと思っています」
静かにそう告げてくれた。
後から知ったことだけど――裕一さんのお母さんは、裕一さんを産んだとき、体調を崩してそのまま亡くなったらしく、本当のお母さんの温もりや優しさを知らないまま育った、らしい。
結婚をしていなかったから、あくまで血のつながり的に見れば、って話だけど。
仲春家は、昔からいくつもの会社を経営してきた大きなグループのトップに立つ家らしく、今で言う「セレブ」らしい。
お母さんと雄大さんの結婚生活は、1年も経たずに終わったって言った。
「その当時、あたしを快く思っていなかった人が一族にいたみたいなのよね」
そのあたりのことはあまり教えてくれなかったけれど、辛い思いをしたんだろうなってことは、なんとなく察する。
「あの家を出てから……迷惑をかけないために、もう10年以上も仲春の家とは連絡を絶っていたんだけど……」
一通りあたしに説明してくれたあと、お母さんはそう言って口元にだけ小さな笑みを刻み、裕一さんを見た。
「ぼくは嬉しいです。優子さんから連絡をいただけたことが」
裕一さんは穏やかな口調でそう話したあと、ほんの少しの間を置いてから、
「――ぼくは、ずっと優子さんとさつきちゃんを心配していました。血が繋がっていなかったとはいえ、優子さんは母としての優しさをぼくにも与えてくれましたし、さつきちゃんはぼくを慕ってくれました。……本当の母の顔を知らないぼくにとって、優子さんがぼくの本当の母であり、さつきちゃんがぼくの本当の妹だと思っています」
静かにそう告げてくれた。
後から知ったことだけど――裕一さんのお母さんは、裕一さんを産んだとき、体調を崩してそのまま亡くなったらしく、本当のお母さんの温もりや優しさを知らないまま育った、らしい。