その時、マルセイユの携帯が鳴った。

「hello、何の用だ?今忙しいんだが。」

「失礼、ちょっと席を外す。」

マルセイユが部屋を出ていく。

「見つかったのかしらね?」

ハインツの性格から言えばその方が面倒じゃないのでいいのだが、現実はそう甘くない。

マルセイユが戻ってきた。

「飼い猫、見つかったの?」

ハインツが目を輝かせた。

「ああ、見つかったが・・・。」

ハインツはマルセイユの言い方が妙に気になった。

「見つかったけど・・・何なのよ?」

マルセイユは空気の混じったような声でこう言った。

「猫が・・・2匹いるんだよ・・・。」