「…………」
「俺な。…めっちゃ考えて。みともと連絡せんくなってからずっと。アホみたいに悩んでて。…でなぁ」
「…………」
「難しく考えたけど、素直にな。…あ、俺、みともの声聞きたいなぁって思ってな。そしたら連絡したいし、会いたいって思ったんやんか」
「…………」
「みともに、いちばん。…やから、地元戻って。彼女とはきっぱり別れてきてん」
「…………」
「みともに…連絡したくて。でも今さらやんなぁって思って。さんざんみとものこと振り回して、やのにそんな都合のええことできへんって思ってんな。…でも、」
……うそ。
「でも、今日偶然会えたから……っ」
………うそ。
「今さらやってわかってる。でもなぁ、いっこだけ言わせて」
…そんなん、ウソや。
にじむ視界。震える指先。
後ろにおるいっちゃんが、ウチの首元に顔を埋める。
ぎゅうって。
髪の毛が、ほっぺたにふれて。
…いっちゃんの真剣な声と、いっちゃんの温度に、こころが震える。
「嫌い…っ」
「…………」
「いっちゃんなんか、だいっきらい…っ」
「うん、ごめん」
──俺はめっちゃすきや。